
浜松市の娘宅に行き、帰りに夫婦で乗るSUBARU LEVORG GT-H EXは、この線状降水帯に突入した。
いつもは東名高速道路を音羽蒲郡ICで降りるのであるが、豊川IC以西が不通になったため、豊川ICで降りて、豪雨の中豊川市内を逡巡しながら、通常なら1時間半くらいで帰宅できるところが、6時間以上をかけて帰宅することになる。
走る道は川の様に水が流れ、マンホールから水が噴き出ている。
ナビを頼りに、海抜の高い道を目指したが、前も後も自動車が連なり、自動車を走らせる時間より停めている時間の方が永い。
一生に一度会うかどうかの情況に、親父は不安と恐怖を覚えた。
自動車のエンジンを止めたら二度と始動しないかも知れない。
他の自動車のことは考えず、先ずは自らがこの状況から逃れることをしか考えていなかった。
ある交差点を左折する時、自動車が数珠つなぎなっていた。
向かいには右折しょうとする女性が運転する軽自動車がいた。
誰もその軽自動車を自らの前に入れようとしなかった。
運転手の女性の懇願するような視線を見たが、親父もそうはしなかった。
通常なら、当然譲る心が起きただろうが、その時は無常にも…。
苦境に合った時に、人間の本性が現れるとは本当である
あの時の軽自動車を運転していた若い女性の視線が今も忘れられない。
それほど線状降水帯の中で自働車を運転するのは恐怖なのである。
災害時に自らと家族の命を守りながら、如何に生きるかを考えることも、災害対策準備である。

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