親父はYouTubeで『笠地蔵』の昔話を聞いた。 正月の餅を買うためにお爺さんは編み笠を5つ作り街に売りに行こうとしていた。
途中でお地蔵さんの前まで来ると、お爺さんはお地蔵さんの上に雪が積もっていたのを見つけたのだ。
するとお爺さんは、お地蔵さんの上に積もった雪を払い、売り物の編み笠をそのお地蔵さん達に被せて上げる。
お爺さんは6人立っていて、笠は5つで数がたらず、最後のお地蔵さんにはお爺さんが被っていた笠を取って被せたのである。
お爺さんは踵を返して自宅に戻り、お婆さんに事のアレコレを話すと、お婆さんは「お爺さん、それは良い事をしましたねと、お爺さんを誉めるのである。
大晦日の夜、笠を被せて貰った事を感謝した6人のお地蔵さんが正月の御馳走と財宝を持ってきてくれて、お爺さん・お婆さんの家の軒先に置いて行った。
この話は六地蔵信仰の話ではないか。
六地蔵は、今でもお寺や霊園に立っている。
六地蔵は、仏教において地蔵菩薩が六つの道(六道)をそれぞれ守護する姿を表したものである。
六道とは、地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天界の六つの世界を指し、これらは輪廻転生の概念に基づいている。
六地蔵は、それぞれの道に迷い込んだ魂を救済するために現れるとされているのだ。
地獄道の地蔵: 地獄に堕ちた者たちを救う地蔵。
餓鬼道の地蔵: 餓鬼道にいる者たちを救う地蔵。
畜生道の地蔵: 畜生道にいる者たちを救う地蔵。
修羅道の地蔵: 修羅道にいる者たちを救う地蔵。
人間道の地蔵: 人間界にいる者たちを救う地蔵。
天道の地蔵: 天界にいる者たちを救う地蔵。
六地蔵は、人々に安心と希望を与える存在として信仰されている。
特にお墓や寺院の入り口などに六地蔵像が置かれることが多く、亡くなった人々や迷える魂を導くための象徴とされているのだ。
だから、『笠地蔵』の六地蔵は、5つの編み笠を売って現金収入を得て正月用の餅を買うはずだったお爺さんが、ぞれを止めてまで自分たちに笠を施してくれたことを見定めて、人間道の地獄から救ったのである。
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