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Screenshot_20250212-085139 今から50年前、中学生であった親父は、名鉄西尾駅傍にあったパール劇場と言う映画館で、『燃えろドラゴン』『ドラゴン危機一髪』などと言うカンフー映画の主演者ブルース・リーの虜になっていた。

 日本でブルース・リーの主演映画が公開される頃には、既に彼は故人になっていたのだ。

 しかし、スクリーンでのブルース・リーは括弧良かった。

 特に悪役と対戦する時に、相手を睨み右手の親指で鼻を擦るシーンがあるが、親父はアレが好きだった。

 当時中学では柔道部に所属していたが、試合があると対戦相手にブルース・リーに真似た視線を送ったものである。

 すると対戦相手も似たような視線をくれたものである。




 中学柔道部の1年先輩でB先輩がいた。
 彼は少し知的障害があった。

 B先輩が3年生、親父が2年生で、ちょうど今頃の時季であったと思う。
 3年生は進学する高校を決めて部活は退部していた。
 B先輩は進学出来ず、市内の鋳物工場に就職する事になっていたのだ。

 
Nunchaku 親父達2年生以下が部室道場で練習していると、B先輩がヌンチャクを持って現れたのである。
 ヌンチャクは沖縄の琉球古武術の武器の一種なのだが、ブルース・リーがこれを軽快に扱っていたので、有名になったのである。

 そのヌンチャクは樫木で出来ており、50cmほどの2本の木棒が皮の紐で繋がっていた。

 「先輩!カッコいいですね~ぇ!」と後輩がそれを誉めると、B先輩は嬉しそうにブルース・リーを真似てヌンチャクを腕肩で回した。


 そのヌンチャクは、中学生の小遣いでは買えない高価な代物であることは明らかであった。
 多分就職祝いで親に買って貰ったのであろう。

 B先輩はそのヌンチャクを裸のまま自転車の荷台に括って、家路に就いた。
 これが問題であった。
 知的障害のあるB先輩にヌンチャクはカバンに仕舞うことを勧めるべきであった。

 B先輩は帰宅途中で警察官から、殺傷能力あるヌンチャクの所持を咎められて補導されてしまったのである。


 担任の先生が引取りに行ったが、その後B先輩がどうなったのか判らない。



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