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 海老せんべいは、愛知県三河地方(特に西尾市一色町)や知多地方を中心に、いくつかの系統が重なりながら発展してきた。

 俗説で、むかし、むかし、ある港町での話、魚を捕る引き網にまぎれた小海老が捨てられているのを見た婆さんが、「この小海老を使って何か出来ないか。」と考えて海老せんべいの原型を作った。

 これにアッチコッチで人気が出て海老せんべいになったのである。



 幼い親父がよく食べたオヤツはえ海老せんべいであった。

 そのころ父親は11月下旬から3月初旬まで海苔の養殖をしていた、

 梳いて乾燥した海苔を漁業組合に卸した。
 その時に父親について行くと、よく出店で海老せんべいを買ってくれた。



 海苔が思い以上に高額で卸せると、機嫌よく『いかせんべい』も買ってくれた。
 いかせんべいは、烏賊の切り身を捏ねて焼いたせいべいで、海老せんべいより甘くて幼い親父はいかせんべいの方が好きだった。

 しかし、父親の機嫌が良くないと買って貰えなかった事が残念であった。




PXL_20260213_094054730 それから60年程経ったある日スーパードミーにいかせんべいが売られていた。

 蒲郡市の辰屋という会社の製品である。

 幼い頃父親に買って貰ったいかせんべいが辰屋製であったかどうかは不明であるが、買って家で早速食べてみた。

 仄かに烏賊の味がして、パリ!パリ!と割れて芳ばしい。

 懐かしい味である。


 こんな袋を抱えて家に帰ると祖父が「良い物を買って貰ったな!」と言われ、一枚のいかせんべいを分けた覚えがある。







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