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F病院脳神経内科のI医師からその診断を告げられた日のことを、私は今でも鮮明に覚えている。
病名を聞いただけでも大きな衝撃だったが、さらに医師から「いずれ車椅子になることを覚悟しておいてください」と言われた時には、目の前が真っ暗になった。
しかも歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)という遺伝性の型で、それを知った時涙が10L流れた。人は誰しも老いる。
しかし、自分の足で歩けなくなる未来を突然突きつけられることは、想像以上に重い。
帰宅してからも、その言葉が頭から離れなかった。
「本当に私は歩けなくなるのだろうか」「あと何年、自分の足で歩けるのだろうか」と、不安ばかりが募った。
だが、落ち込んでばかりいても何も変わらない。
病気そのものは治せなくても、進行を少しでも遅らせる努力はできる。
そう考えた私は、自主歩行リハビリに励むことを決意した。
毎日の通勤や散歩は、私にとって大切なリハビリである。
ふらつきながらも一歩一歩、足を前に出す。
調子の良い日もあれば、思うように歩けず悔しい日もある。
それでも、「今日は昨日より少し長く歩けた」「転ばずに帰って来られた」という小さな喜びを積み重ねながら歩き続けている。
もちろん、将来どうなるかは誰にも分からない。
いつか車椅子の助けを借りる日が来るかもしれない。
しかし、親父は天命を全うするその日まで、「できる限り自分の足で歩く」という目標を持ち続けたいと思う。
人は未来を変えることはできなくても、今日をどう生きるかは自分で選ぶことができる。
だから親父は今日も歩く。
ふらつきながらでも、自分の足で前へ進み続けたいのである。
8月1日に別宅『爺の風は強く吹いている』を開設しました。
併せてお楽しみください。
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