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 朝、目を覚ました妻が開口一番、「肩こりが酷い!」と言った。
 長年連れ添った夫婦だから、その一言で「今日も始まったな」と思う。

 親父は早速、妻の肩を揉む。
 結婚して四十年ともなると、肩を揉む手つきもすっかり板についてきた。
 若い頃は照れもあったが、今では朝の挨拶のようなものだ。

Copilot_20260624_081014 もっとも、肩を揉んでいるのは妻のためだけではない。
 実は、脊髄小脳変性症を患っている親父にとって、妻の肩揉みは格好の手先のリハビリでもある。
 指先を動かし、力加減を調整しながら揉むことは、私自身の機能維持にもつながっている。

 「もう少し強く」「そこそこ、気持ちいい」
 妻の注文はなかなか細かい。
 時には厳しい評価を受けることもあるが、それもまたありがたい。
 妻は肩がほぐれ、親父は手先を鍛えられる。
 まさに一石二鳥である。

 病気になってから、以前のようにできなくなったことを数えることが増えた。
 しかし、こうして誰かの役に立ちながら、自分のリハビリもできることに気づくと、まだまだできることはあるのだと思える。
 アメリカ合衆国製「TheraPutty(セラパテ)」での指先リハビリに加えて、妻の肩もみも有効なリハビリである、


 今朝も妻の「肩こりが酷い!」の一言から、我が家の一日が始まった。
 願わくば、妻の肩も親父の手先も、少しずつでも元気になっていってほしいと思うのである。








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