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 毎週水曜日になると、親父は介護予防通所リハビリへ出かける。
 若い頃なら、「リハビリに通う」という言葉に、どこか寂しさや老いの響きを感じていたかもしれない。

Copilot_20260626_211802 しかし、実際に通ってみると、そこは決して後ろ向きな場所ではなかった。
 施設へ入ると、まずスタッフの明るい挨拶が飛んでくる。
 「親父さん、こんにちは!」。
 その声を聞くだけで、家でぼんやりしていた気持ちが少ししゃんとする。

 リハビリでは、ストレッチをしたり、筋力トレーニングをしたり、歩行練習をしたりする。
 若い頃なら何でもなかった動作が、今では一つひとつ意識しなければならない。

 足を上げること、姿勢を保つこと、転ばずに歩くこと。
 当たり前だと思っていたことが、実は当たり前ではなかったのだと気づかされる。

 しかし、不思議なことに、できなかったことが少しでもできるようになると嬉しい。
 杖無しで昨日より五メートル長く歩けた。
 以前よりふらつきが少なくなった。
 そんな小さな進歩が、自信につながる。

 また、通所リハビリの魅力は、同じような悩みや病気を抱える仲間と出会えることでもある。
 互いに「今日は調子はどう?」「暑いねえ」などと声を掛け合う。
 その何気ない会話が励みになる。

 病気や年齢は違っても、「少しでも元気でいたい」という願いは皆同じなのだ。
 人生は年齢を重ねるにつれて、失うものばかりに目が向きがちである。
 しかし、介護予防通所リハビリは、「まだできること」「これからも続けられること」を見つける場所なのかもしれない。

 親父は今日もまた、転ばないように、一日でも長く自分の足で歩けるように、仲間たちと一緒に汗を流している。
 リハビリとは、身体を鍛えるだけではなく、明日への希望を鍛える時間なのである。






 8月1日に別宅『爺の風は強く吹いている』を開設しました。
 併せてお楽しみください。




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