暑い日にラムネを買った。
大阪市のハタ鉱泉(株)の製品である。
ラムネという飲み物は、飲む前の儀式が楽しい。
あのビー玉を押し込む「ポン」という音を聞くだけで、気温が二、三度下がるような気がする。
子どものころは、駄菓子屋のオバサンが突起の付いたビー玉押し込み器で起こすあの音を聞くためにラムネを買っていたのではないかと思うほどである。
ところが今回、瓶を手にして「あれっ」と思った。
飲み口の部分がプラスチックなのである。
昔は瓶の口まで全部ガラスだった。
透明なガラスの重みが手に心地よく、夏祭りや縁日の思い出まで一緒に閉じ込められていたような気がする。
それが今では、安全性や製造の都合なのだろう、プラスチックが使われている。
便利になったのだろう。
割れにくく、軽くもなったのだろう。
しかし、人間というものは不思議なもので、便利になるほど「少しだけ物足りない」と思ってしまう。
ラムネの味は昔と変わらず爽やかだった。
それなのに、口当たりが違うだけで、記憶の中の夏休みまで少し形を変えてしまったような気がした。
全部ガラスのラムネ瓶は、いつの間にか思い出の中だけの存在になってしまったらしい。
時代は少しずつ姿を変えていく。
しかし、ビー玉が瓶の中でカランと鳴る音だけは、今も昔も「夏が来たぞ」と教えてくれるのである。

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大阪市のハタ鉱泉(株)の製品である。
ラムネという飲み物は、飲む前の儀式が楽しい。
あのビー玉を押し込む「ポン」という音を聞くだけで、気温が二、三度下がるような気がする。
子どものころは、駄菓子屋のオバサンが突起の付いたビー玉押し込み器で起こすあの音を聞くためにラムネを買っていたのではないかと思うほどである。
ところが今回、瓶を手にして「あれっ」と思った。
飲み口の部分がプラスチックなのである。昔は瓶の口まで全部ガラスだった。
透明なガラスの重みが手に心地よく、夏祭りや縁日の思い出まで一緒に閉じ込められていたような気がする。
それが今では、安全性や製造の都合なのだろう、プラスチックが使われている。
便利になったのだろう。
割れにくく、軽くもなったのだろう。
しかし、人間というものは不思議なもので、便利になるほど「少しだけ物足りない」と思ってしまう。
ラムネの味は昔と変わらず爽やかだった。
それなのに、口当たりが違うだけで、記憶の中の夏休みまで少し形を変えてしまったような気がした。全部ガラスのラムネ瓶は、いつの間にか思い出の中だけの存在になってしまったらしい。
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しかし、ビー玉が瓶の中でカランと鳴る音だけは、今も昔も「夏が来たぞ」と教えてくれるのである。
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