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昔は「ナビスコのオレオ」と呼んでいたので、つい今でもその名前が口をついて出る。黒いビスケットに白いクリーム。その姿は何十年たっても変わらないように見えるのに、一口かじると、どうも何かが違う。
「あれ、こんなに小さかったかな」
もちろん、私の手が昔より大きくなったわけではない。
いや、年齢とともに少々厚みは増したかもしれないが、それだけでは説明がつかない気がする。
最近のお菓子は、原材料や物流費の高騰で少しずつ小さくなることがあるという。
世の中には「シュリンクフレーション」という難しい名前まであるらしい。
ずいぶんと愛想のない言葉である。
けれど、私はもう一つ理由があるような気がしている。
子どもの頃のお菓子は、お腹だけではなく夢まで満たしてくれた。
遠足の日、友達と分け合った日、テレビを見ながら頬張った夜。
そんな思い出が重なっていたから、オレオは実際の直径以上に大きなお菓子だったのである。
だから今、小さく感じるのは、オレオが縮んだからだけではない。
あの頃の思い出が、それだけ大きかったということなのだろう。
一枚のビスケットが、遠い夏休みまで連れて行ってくれる。
そんなお菓子は、そう多くはない。
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