ソルティライチという飲み物は、名前だけ聞くと首をかしげる。
ライチはわかる。
南国の果物である。
甘くて上品な香りがする。
では、そのライチに塩を振るとは何事か。
初めて聞いたときは、「スイカじゃあるまいし」と思った。
ところが、飲んでみると驚く。
甘いのにさっぱりしている。
塩辛いわけでもない。
塩は裏方に徹していて、「私はここにいます」と主張しない。
名脇役なのである。
人間もこうありたい。
暑い日に汗をかき、喉がカラカラになったとき、ソルティライチをひと口飲むと、「ああ、生き返った」という言葉が自然に出る。
タイの家庭で親しまれている、果物と塩を組み合わせた知恵から生まれた飲み物だそうだ。
キリンのソルティライチは、沖縄の海塩を使って、ライチの甘さを引き立てている。
昔は夏の飲み物といえば、麦茶であった。
縁側で風鈴を聞きながら麦茶を飲む。
コップには氷がカランと鳴る。それだけで夏休みだった。
今は違う。
「熱中症に気をつけましょう」と朝から晩まで言われる時代である。
水分だけでなく塩分も補給しましょう、と言われる。ソルティライチは、そんな時代の申し子なのだ。
考えてみれば、人間も塩加減が難しい。
褒めすぎると甘くなる。
叱りすぎるとしょっぱくなる。
人生も会話も、ひとつまみの塩がちょうどいい。
ソルティライチを飲みながら、そんなことを考えていると、気がつけばペットボトルは空になっていた。
夏とは、喉で季節を味わうものなのである。

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ライチはわかる。南国の果物である。
甘くて上品な香りがする。
では、そのライチに塩を振るとは何事か。
初めて聞いたときは、「スイカじゃあるまいし」と思った。
ところが、飲んでみると驚く。
甘いのにさっぱりしている。
塩辛いわけでもない。
塩は裏方に徹していて、「私はここにいます」と主張しない。
名脇役なのである。
人間もこうありたい。
暑い日に汗をかき、喉がカラカラになったとき、ソルティライチをひと口飲むと、「ああ、生き返った」という言葉が自然に出る。
タイの家庭で親しまれている、果物と塩を組み合わせた知恵から生まれた飲み物だそうだ。キリンのソルティライチは、沖縄の海塩を使って、ライチの甘さを引き立てている。
昔は夏の飲み物といえば、麦茶であった。
縁側で風鈴を聞きながら麦茶を飲む。
コップには氷がカランと鳴る。それだけで夏休みだった。
今は違う。
「熱中症に気をつけましょう」と朝から晩まで言われる時代である。
水分だけでなく塩分も補給しましょう、と言われる。ソルティライチは、そんな時代の申し子なのだ。
考えてみれば、人間も塩加減が難しい。
褒めすぎると甘くなる。
叱りすぎるとしょっぱくなる。
人生も会話も、ひとつまみの塩がちょうどいい。
ソルティライチを飲みながら、そんなことを考えていると、気がつけばペットボトルは空になっていた。
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